ティラノビルダーには無料であるスタンダード版と、有料で機能を開放できるPro版が存在しています。
ジャム君はもうすでにPro版を持っているのでそちらを使えばいい話なのですが、まだ無料でお試ししてできることを確かめたい、という方はティラノスクリプトを重点的に覚えておくと非常に便利です。
もちろんiscriptに使えるJavaScriptを使えば、できることの幅はさらに広がりますし、CSSも使えれば最高ですね!
そこまでできるのならば、ティラノビルダーでなくティラノスクリプトかジョーカースクリプトを使えばいいのに、というのはいつもの感想ですが(笑)
今回はティラノスクリプトを利用し、無料であるスタンダード版を利用してもPro版に劣らない実力を発揮させてみますよ!
というわけで、前提条件はティラノビルダーの「スタンダード版」を利用するです。
スタンダード版とPro版との違い
ティラノビルダーのスタンダード版は、ティラノビルダーのPro版からほんの一部だけ機能制限がかけられているというものです。
大きな違いはここですね。
スタンダード版には1つのプロジェクト辺り、以下の制限がございます。
・キャラ数が10人まで → Pro版で無制限!
・BGM数が10曲まで → Pro版で無制限!
・背景が30枚まで → Pro版で無制限!
これに関してはティラノスクリプトを利用しても回避できない部分であり、「スタンダード版で多くの素材を使いたいならPro版にしてね」ということなのかと思います。
Pro版にするにしてもそんなにお高いものでもないですし、大幅アップデートされたら買い直さないといけない、なんてこともないので良心的です。
現状開発は進めてくださっていますが、いつストップするかは誰にもわかりませんので、Pro版にしたのに更新されないからとジャム君を責めないでくださいね?
ただ効率的にティラノビルダーでノベルゲームを制作したいと考えるならば、早いうちにPro版にしても損はないはずです。
スタンダード版でもティラノスクリプトを使えばできること
先日もお話しましたが、ティラノスクリプトで使いやすいタグはこんなものです。
これらすべて、無料で公式に公開されているタグリファレンスに載っていますし、今回お話することもタグリファレンスを読み込んでいる人は知っているはずです。
ただ「Pro版にしないとできないのかな」と思われがちな項目も、実はティラノスクリプトを利用すれば使用可能となるのです。
3Dカメラの使用
ティラノビルダーには、3Dカメラという便利機能が備わっています。
新機能「3Dカメラ」ノベルゲームに高度なカメラワーク演出を追加できる。ドラッグ&ドロップで追加するだけ。直ぐにプレビューできるので確認も簡単。次アップデートでリリース。#ティラノビルダー pic.twitter.com/QBwwcD3Xnp
— シケモクMK (@shikemokumk) 2016年5月27日
ただしドラッグ&ドロップで簡単に使えるのはPro版だけ。
見てのとおり、スタンダード版の左列にあるコンポーネント上には、3Dカメラがないわけです。
で、Pro版になるとコンポーネントに・・
色々増えていますね。
これがPro版で使える素材の数制限がなくなるだけでなく、ドラッグ&ドロップで簡単に使い始められるようになるいいところ。
ただこの機能自体はスタンダード版でも利用することができ、単純に「コンポーネント上にボタンがない」だけの状態なんです。
実際にスタンダード版で、ティラノスクリプトを使って3Dカメラを実現させてみます。
音は出ませんが、そういう出力にしてあるのでそれが正常です。
しっかりと動きましたね。
この時のタグは、このようになっています。
[camera x=150 y=120 zoom=1.5 time=1500] [camera x=0 y=80 zoom=3 time=1000] [wait_camera] ~ゆうこの話~ [reset_camera]
これを見ればおわかりのとおり、3Dカメラを実現させるためには
[camera x=XXX y=YYY zoom=ZZZ time=TTT]
を使えばいいのです。
X軸(横)Y軸(縦)ともに、画面の中心を0(ゼロ)とするため、計算には注意が必要です。
XXXにはX軸をどちらに何ピクセル動かすか、YYYにはY軸、ZZZにはズームする倍率、TTTには3Dカメラを動かす時間をミリ秒単位で書き込みます。
今回は右上に動かしていますが、左下などに動かしたい場合にはXXXとYYYにマイナスの数値を入れればOKです。
そして、忘れてはならないのが[reset_camera]です。
[wait_camera]もカメラを動かしている間にウェイトを入れるため重要ですが、リセットを忘れるとずっとカメラの位置がずれたままです。
背景ムービーの利用
背景に画像ではなく、動画を利用させることもできます。
これもPro版では、ドラッグ&ドロップで簡単にできるよう設計されています。
使うタグはこれ。
[bgmovie storage=”XXX”]
XXXには、動画を入れたフォルダと動画ファイルの名前+拡張子を入れます。
例えばvideoフォルダを作りmovie1.webmという動画を入れておいたのならばこうなります。
[bgmovie storage="video/movie1.webm"]
bgmovieにはstorageの属性が必須であり、その他にもムービーのボリュームやループ有無なども簡単に指定できるため、ここぞという場面で使いやすそうですね。
ただのムービー挿入とは違い、動画前面にキャラを起たせたりメッセージを流したりも自由です。
動画を終える時には[stop_bgmovie]を使わないと、止めたい場面で止められません。
おわりに
どうです、手間はかかりますけど一応機能としては備わってるんです。
ただ先にもお話したとおり、ティラノビルダーでノベルゲーム制作を続けていくつもりで効率を上げるのであれば、断然Pro版を推奨しますね。
だって、毎回毎回面倒じゃないですか。
簡単に作れるのがティラノビルダーの売りなのに。
ただティラノスクリプトを使っていけば、一応使えますよって機能ですね。
素材の数の制限があるので、本格的に作り込んでいくとどうしても厳しくなりがちですけど・・・
スタンダード版範囲内で作るにしても、ちょっとしたスパイスとしては、使えるのではないでしょうか。
[PR]
ティラノスクリプトに興味が湧いたのであれば、書籍版を購入してみるのも一つの手ですね。
コメント