ゆかりねっとコネクターNEO(ゆかコネ)をご存知でしょうか。
実にいろいろなことができるプラグインが内蔵されているのですが、中でも配信者がすぐにでも使いやすいのが、わんコメと連携させての「翻訳」機能です。
この翻訳機能は、リスナーが投稿してくれたコメントをわんコメで受信させ、ゆかコネで翻訳させるというものになっています。
ですが翻訳は無料でできるものと思いきや、決してそう簡単な仕組みではないのです。
ゆかりねっとコネクターNEO(ゆかコネ)の翻訳を無料で使うことはできるのか、また無料で使えるならばどうすればいいのか解説していきます。
ゆかコネで使える翻訳は基本有料
ゆかりねっとコネクターNEO(ゆかコネ)で使うことのできる翻訳は、基本的には支援が必要となる有料機能です。
ゆかコネへの支援についての詳細は、ぜひ公式サイトもご確認ください。
支援の概要ページに表となっているのですが、翻訳のほぼすべてが支援の必要なものとなっているのがおわかりいただけるはずです。
「あれ、意外と無料で使えるサービス多くない?」
と思われたかもしれませんが、現在私が使っているv2.0.143での状況を見てみましょう。
共用翻訳サーバだけは残っていますが、その他は廃止されたか支援が必要となっています。
ただ、「共用翻訳サーバが残ってるなら安心じゃん!」とはならないのが、ゆかコネの利用規約です。
ゆかコネの利用規約
ゆかりねっとコネクターNEO(ゆかコネ)のインストール時には明確に記載されているのですが、ゆかコネの利用規約としては「5,000文字/月」以上使うようであれば支援を検討、といった具合になっています。
共用翻訳サーバを無料で使うこともできるのですが、あくまでも動作テストや月々ほんの少ししか使わない人向けであり、「ガンガン使い倒したいならば支援してね」というスタイルというわけです。
というのも、翻訳ってGoogle翻訳やDeepLなどウェブサービスを使いすべて無料でできると思っているかもしれませんが、ゆかコネとわんコメの連携で翻訳をさせるように「API」を使うのであれば基本有料で定額ではなく、使えば使うほどお金がかかります。
それを、開発者の*nao*さんに全部負担させるというは、利用者が増えていくほど*nao*さんに負担がかかってしまい、困らせてしまいますよね。
無料で動くことを確認したのち、たくさん使うことを想定したり支援して運用への足しにしてほしいと思うのであれば、FANBOXからの支援をするといいでしょう。
FANBOXからの支援をすれば翻訳エンジンが選べる
有料とはなりますが、ゆかりねっとコネクターNEO(ゆかコネ)のFANBOXから支援を行えば、共用翻訳サーバ以外の翻訳エンジンを選択して使うことができるようになります。
画像のとおり、支援プラン①と②では「Microsoft翻訳」と「Google翻訳」、支援プラン③~⑥ではその他の翻訳エンジンも選択可能となります。
また、支援プランには利用できる文字数も設定されているため、ご自身で何文字くらい翻訳に使うのか把握して支援を行う必要があるでしょう。
最初から大量に翻訳するのがわかりきっているわけでもないならば、使いたい翻訳エンジンに合わせつつ少額の支援プランから文字数制限に引っかからないか確認していくのがおすすめです。
支援プランごとの目安の文字数はときおり変わるようですので、FANBOXのプランページをご確認ください。
ゆかりねっとコネクターNEOの翻訳を無料で使いたい
ゆかりねっとコネクターNEO(ゆかコネ)の翻訳を支援プランなしに、無料で使うという方法もあります。
もちろん、開発者の*nao*さんに翻訳費用を負わせるなどということはなしに。
ただ注意してほしいのは基本的には「完全無料」というわけではないですので、調子に乗って使いすぎると泣くのはあなた自身です。
その点に注意をしながら、無料で使う方法を見ていきましょう。
APIキーを個人で手に入れる
ゆかコネで支援プランに加入する場合、支援版翻訳の有効化にある「プロモーションコード」部分に、コードを入力することで、ご自身の支援プランに応じた翻訳が有効となります。
APIキーを個人で手に入れるというのは、これを使うことなく無料で使えるようにしていこうということです。
どのような対応APIキーがあるのかは、ゆかコネのオプション内に記載があるのですが、こんな感じ。
- Cloud Translation API(旧Google Translate API v2)
- Microsoft Azure Translate API v3
- DeepL Pro/Free
- IBM Watson (TOKYO)
- NAVER Papago(Application)
- Google Apps Script
- OpenAI API
ゆかコネ上ではGoogle Translate APIと表記されていますが、Cloud Translation APIにサービス名が変更されていますので、お探しの際には注意してください。
今回は、この中でもおすすめのものを紹介したいと思います。
Cloud Translation API
Googleが提供しているCloud Translationは、最初の500,000文字が毎月無料となっているのがいいですね。
また、毎月無料となっている50万文字を超過してしまっても、よほど使いすぎなければ安心していていいでしょう。
料金は「比例」計算で課金されます。料金は実際に Cloud Translation に送信された文字数に応じて請求されます。たとえば、1 か月以内に 575,000 文字を処理するように送信した場合、$1.50 が請求されます。最初の 500,000 文字が無料で、言語検出、翻訳、またはその両方を行った残りの 75,000 文字に対して請求が発生します。
使いすぎが不安なのであれば、支払いの自動ストップはしませんが、「予算とアラート」や「割り当てと上限」の機能を活用すれば、大幅な予算超過は減るはずです。
Cloud Translation APIを含むGoogle Cloudに登録しCloud Translation APIを使う際には、有効なクレジットカード・デビットカードが必要となります。
もちろん登録して挙動を試してみましたが、私の設定が悪いのか、Cloud Translation API v2での動作は確認できましたが、Google 翻訳V3を翻訳エンジンに選択してもCloud Translation API v3ではリクエストを返した形跡がなく、v3ではなくv2で返していた模様です。
Cloud Translation側でちゃんと設定をすれば、v3でも動くのかもしれませんが、もともとv2のAPI入力欄ですので、v2で動くのがデフォルトなのかもしれません。
マイナーな言語を使うリスナーさんが多い配信者さん向けとも言えそう。
Google Apps Script(GAS)
Google Apps Scriptは、ゆかりねっとコネクターNEOのドキュメントでも紹介されている方法です。
設定さえ済ませてしまえば基本無料で使えるようになる反面、どれほどまで無料なのか、対応言語は何なのか不透明な部分が多いため、その他紹介している方法の補助的に使うのがいいかもしれません。
おそらく、エラーで止まらず動いてくれる限り無料で使い続けられるとは思うのですが確実なソースがないため、やはりその他に紹介している方法と併用もしくはFANBOXの支援と併用するのが良いかと思われます。
DeepL API Free
DeepL API Freeも、Cloud Translation APIと似たように1か月に500,000文字までが無料で翻訳できるサービスです。
こちらはCloud Translation APIとやや違う点もあり、50万文字まで翻訳してしまうとDeepL API Proにアップグレードしないと止まってしまう点や、無料版の契約開始日が月初めになるといったことがあるようです。
DeepL API Proにアップグレードしたほうが、リクエストが優先的に処理されるため混雑時に有利となりますが、DeepL API Freeについている無料の50万文字翻訳はついてこない「利用分だけ支払い」パターンのため、50万文字をちょっと超過したくらいだと一気に高額になった気がしてしまいます。
逆に言えば、DeepL API Freeは使いすぎの心配がないというメリットがあるため、翻訳の無料化を目指す方には向いているかもしれません。
ただ、DeepL API Proにしても画像のように料金の上限は決めておけるため、「この金額までならいっぱい使うときに出してもいい」という計算がしやすくなっている点が魅力です。
DeepL API Freeを使うにしても、有効なクレジットカード・デビットカードの登録が必要となるため、ご準備は忘れずに。
メジャー言語の翻訳に使うと便利になりそう。
ゆかコネの支援プランと個人でAPIキーを手に入れる差はなに?
ゆかりねっとコネクターNEO(ゆかコネ)のFANBOXで支援プランに申し込むのと、個人で使いたい翻訳エンジンのAPIキーを手に入れるという2つの方法があることがわかりました。
いろいろな翻訳エンジンでゆかコネと連携させてわんコメで受信させたコメントを簡単に翻訳できるように設定できるようになりますが、この2つの方法はどのような差が出てくるのでしょうか。
個人でAPIキーを発行すれば無料でも使える範囲が広がる
これまでに紹介したとおり、個人でAPIキーを発行すれば、本来ゆかコネでは支援プランに申し込まないと利用ができなかった翻訳エンジンでも、無料から翻訳ができるようになります。
これは、個人でAPIキーを発行すれば開発者である*nao*さんに請求が行くことがなくなるため、翻訳エンジンの翻訳費用に関する負担はなくすことができるからです。
ですが、あくまでも個人でAPIキーを発行してなくすことができるのは翻訳エンジンを使った分のAPI使用料金であり、ゆかコネのアップデートや不具合修正などの人的・時間的コストは含まれていない点を覚えておかねばなりません。
可能であれば、個人でAPIキーを発行しつつ、感謝の気持ちを込めてFANBOXから支援ができる関係だといいですね。
共用翻訳サーバの負荷を下げることができる
開発者である*nao*さんへの負担を減らす話に追加することとして、月5,000文字未満の利用で「支援を検討」のラインに触れておらずとも、ゆかコネの翻訳として共用翻訳サーバを使う人数が増えれば、それだけ*nao*さんの負担は増してしまいます。
例えば、あなたが月3,000文字程度しか使っていないので共用翻訳サーバを利用していれば十分、と考えたときに、同じ考えを持つ方が100人いたら月30万文字ほどの翻訳が走ることとなります。
「支援をしない、個人でAPIを取らないことが悪い」というわけではないのですが、できる部分では開発者の負担を減らしたほうが、別部分に同じだけの開発資金をかけられるかもしれませんし、赤字が膨大で抱えきれなくなったら最悪開発やサーバー維持の停止もあるでしょう。
実際、共用翻訳サーバは負担が大きくなっており、翻訳に時間がかかると仰っているくらいです。
Google Apps Script(GAS)なんかは、ゆかコネ公式のドキュメントでも紹介されているくらい簡単に導入できますので、*nao*さんへの負担を減らす意味でも翻訳速度をある程度速い状態に維持するためにも、GASなどの個別API導入検討をおすすめします。
支援プランで制限される目安の文字数にとらわれない
ゆかコネの支援プランには一番上のもので支援プラン⑥があり、現在月に2,000,000文字を目安に使うことができます。
支援プランを契約していても、ものすごい大量の翻訳が必要になるのであれば、困ってしまいますね。
そんなときには、個人でAPIキーを発行し、ご自身で使いたいだけ支払えるだけ、好きに使ったらいいのです。
個人でAPIキーを発行するメリットというのは、無料で使える部分もある、というだけでもないわけです。
ゆかコネは使い方を考えれば無料で翻訳可能!わんコメ連携も便利
ゆかりねっとコネクターNEO(ゆかコネ)は、支援プランだけにとらわれず、個人でAPIキーを発行するという使い方さえ覚えれば、無料でも翻訳が可能です。
支援プランは*nao*さんに一括して代理で翻訳費用を支払ってもらうものでもあるので、より細かく翻訳エンジンの使い分けをしながら個人でAPIキーを発行し安く済ませたいならば、ちょっとした手間を惜しむべきではありません。
わんコメと連携させてのコメント翻訳も便利ですが、自分が話した言葉を翻訳してくれる音声認識と翻訳の組み合わせもまた便利になっています。
配信者として、いろいろな言語の方と交流することもあるでしょうから、サッとコメントを翻訳したり自分の発言を翻訳したりしておくと、交流がスムーズになりますよね。
もちろん機械的な翻訳なため、完全に意味を理解できないことも多々ありますが、なんとなくの意味を察することも多いハズ。
コメントをコピペして翻訳エンジンにかける手間が省けますので、ぜひともゆかコネとわんコメの二刀流をお試しください。
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